長崎の秋を彩る大祭「長崎くんち」。その中で欠かせないのが、出演町や関係者に贈られる「御花」です。石丸文行堂では、長崎くんちに欠かせない「御花」の作成を承っており、毎年たくさんのご依頼やご相談をいただいております。

9月に入り、本店1階には「くんちコーナー」も登場!
そんなタイミングで、今回は「御花」とは何か、金額の目安、贈るタイミングやマナーについて、石丸文行堂がわかりやすく解説していきます。





1.長崎くんちの御花とは

  「出演の御祝」と「庭先呈上の御礼」という2つの意味があります

2.踊町の出演者へ贈る出演祝としての「御花」
 1)「御花」の目的と贈るタイミング
 2)金額の目安や代表的な金品
 3)御花紙の書き方

3.踊町へ渡す庭先呈上の御礼としての「御花」
 1)「御花」の目的と渡すタイミング
 2)金額の目安
 3)御花紙の書き方

 

◤ 1. 長崎くんちの「御花」とは? ◢

「御花」とは、ズバリ『ご祝儀』のことです。
長崎くんちの「御花」には、実は全く違う2つの意味合いがあるのをご存知でしょうか?
一つは、お知り合いが踊町に出演する際に贈る、応援や祝福の気持ちを込めたお祝い。もう一つは、自宅やお店の前で庭を打ってくれた踊町へ感謝の気持ちを表すお礼です。
「御花」と聞くと、ついひとくくりにしてしまいがちですが、それぞれの目的や渡し方を知っていると、長崎くんちをさらに深く楽しめますよ。このページでは、2つの「御花」の目的や渡し方、金額の目安について、分かりやすくご説明します。

庭を打つとは・・・
長崎くんちで各踊町が「庭先回り(にわさきまわり)」と呼ばれる行事として、市内各所を練り歩きながら演し物を披露する際の表現です。

◤2. 「出演の御祝」として贈る「御花」 ◢

1つ目は、踊りや曳物、奉納踊りに参加する友人や知人、そのご家族への 「がんばってね!」「おめでとう!」という応援のお祝い です。

1)目的と贈るタイミング

  • 目的 ▷ 大舞台に挑む出演者の方へ、日頃の感謝や激励の気持ちを伝えるためです。
  • タイミング ▷ 10月3日の庭見せが始まる前までに本人やご家族、または踊町関係者に直接お渡しするのが一般的です。(出演者へ贈られた「御花」や「お祝い品」、「御花紙」は「庭見世」で、衣装や演し物、小道具、傘鉾(かさぼこ)などと一緒にお披露目されるからです)酒屋さんや花屋さんが御花紙を書いてくれて商品と共に届けてくれるサービスもあります。

    「庭見世」とは・・・
    10月7日から始まる「長崎くんち」本番の前(毎年10月3日の夕方5時頃〜)に、その年の奉納踊(おどり)を行う踊町を務める各町で行われます。おくんちの準備ができたことを、お知らせるために行われます。

 

2)金額の目安と代表的な品物

  • 金額 ▷ 5,000円から10,000円くらいが一般的です。中には、豪華な伊勢海老や鮑を贈ることも。相手との関係性によって、無理のない範囲で気持ちを込めて贈りましょう。
  • タイミング ▷ 現金のほか、大人には日本酒やビール、囃子の子供たちにはお菓子セットや文房具セットなど、出演者が喜ぶようなものを贈るといいでしょう。


3)「御花紙」の書き方 (庭見世での御花紙)

  • 「御花紙」の裏に、表書きは「御花」と書き、相手の氏名と自身の住所・氏名を書きます。金品の贈り物に添えて相手に渡します。

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中央・・・大きく「御花」の文字
中央下・・・贈り主の町名・氏名
左上・・・贈り先の氏名
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を記入します。

※書き方参照:長崎くんちの栞(長崎伝統芸能振興会)


 

石丸文行堂オリジナル「御花」のご祝儀袋 

現金を贈る際に使う熨斗(のし)袋には「御花」という表書きと、ご自身の名前を書きます。石丸文行堂では、予め「御花」という表書きが印字されている石丸文行堂オリジナルの長崎くんち専用ご祝儀袋を販売しています。

▶︎左 金封 1枚   330円(税込)
▶︎右 金封 2枚入り 330円(税込)


◤3. 「庭先呈上の御礼」として渡す「御花」 ◢

2つ目は、諏訪神社へ奉納した素晴らしい踊りを、わざわざ店舗前や自宅前で披露してくれる踊町に対して、「ありがとう!」と感謝の気持ちを伝えるお礼 です。

1)目的と贈るタイミング

  • 目的 ▷ 踊町の皆さんが、諏訪神社へ奉納した踊りを庭先で披露し御利益を分けてくれることへの感謝を表すためです。
  • タイミング ▷ 踊町が庭先で踊りを披露しに来た際に、呈上札をいただく代わりに御花紙をお渡しします。くんちが終わったら速やかに呈上札をもらった町事務所へ御花を届けに上がるのがしきたりです。

     「庭先回り」とは・・・
    奉納踊りを済ませた踊町が市内中心部の事業所や官公庁、民家などに敬意を表して踊りを呈上することで福をお裾分けし、お祝いするという趣旨のもので、踊町は短い踊りやお囃子を玄関先や店先、門前等の路上で演じます。
    ※出典:長崎伝統芸能振興会サイト「長崎くんち」より

 

2)金額の目安と代表的な品物

  • 金額 ▷ お店の場合は5,000円から30,000円、個人の場合は3,000円から5,000円くらいが目安です。
  • タイミング ▷ 現金を金封に包むのが一般的です。


3)「御花紙」の書き方 (庭先回りでの御花紙)

  • 「御花紙」の裏に、呈上を受ける人の住所と氏名を書き、予め踊町の数に応じた枚数を準備しておきます。

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中央下・・・受ける人の町名・氏名
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を記入します。


※書き方参照:長崎くんちの栞(長崎伝統芸能振興会)

 


「御花紙」って?

さて「御花」は『ご祝儀』の事と解説しましたが、「御花紙」とは・・・
贈る金品につけるのし袋とは別に、「御花」と印刷された紙を一緒に贈るのが長崎くんちのお約束となっています。

「御花紙」は、「あばれ熨斗(のし)」(熨斗の文様の一種)に、朱色で「花」の文字が書いてある紙で、「庭見世」や「くんち期間(庭先回り)」の時に、町や出演者に贈る金品にも必ず付けるものになります。金銀の水引きを付した紙で、長崎独特のものですね。
石丸文行堂では毎年いち早く、この「御花紙」をご用意しております。



▲左から「御花紙」大サイズ、「御花紙」小(飾り)サイズ

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  サイズがいろいろあるの?
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大・小と2種類のサイズがございますが、正式には「大」サイズ(画像左)を使用します。
小さい方(画像右)は「庭見世」の衣装や演し物と一緒に、飾りとして使います。


▶︎ 大 1枚 88円(税込) (1枚売り〜開催年の踊町の数をセットして、ご用意しております)
▶︎ 小 5枚1セット 385円(税込)

贈られた「御花紙」は、「庭見世」の時に笹竹に結ばれて「御花」や「お祝い品」とお披露目されます。

「御花紙」や「のし」は2つとも必要?

  • 「御花紙」は必ず必要となり、「のし」はつけられる物だけ(箱物など)つけるということが多いです。石丸文行堂では、「のし」の代わりにリボンをお付けしたギフトをお作りすることもございます。
  • 出演されるお子様向けに、キャラクター文具や雑貨で「御花ギフトセット」をお作りしております。「何を贈ったらいいのだろう?」と迷ったときは、石丸文行堂のスタッフへお任せください。心のこもった贈り物を、一緒にお選びいたします。

    ※作成には別途手数料がかかる場合があります。
    ※作成内容によってはお時間を頂きますのでお早めにご注文ください。

 

くんち期間中開催!「御花紙」筆耕サービス

御花紙や金封などに字を書くのが不安、、、という方へ。石丸文行堂本店では、毎年恒例で「書道スタジオStart」の先生が店頭のテーブルで筆耕をしてくださいます。(有料)
詳細については、決まり次第HPやSNSにてお知らせさせていただきます。



 「御花紙」や金封は、オンラインストアで取り扱いありますか…?

現在オンラインストアでは承っておりませんが、店頭にて送料手数料をいただいての発送はお受けしております。

詳しくはおくんちに関する公式ページ合わせてご覧ください。
今年の最新おくんちグッズもご紹介中!

また、石丸文行堂オンラインストアでも『おくんちグッズ』を販売中です。
オラインストアはこちらから♪

「やっぱりまだルールが難しい」という方は・・・

ぜひ石丸文行堂の店頭へいらしてください。売場スタッフが予算やご希望内容をお伺いし、ご提案させていだきます。「御花」は贈るのも頂くのも楽しいものですので、そのお手伝いができればと一同思っております。お気軽にお声がけくださいませ。

大切な方への「御花」を贈る際には、石丸文行堂を思い出していただけたらうれしいです。


モッテコ〜イ!!